平成31年1月31日(木)御南西公民館主催講座 第2回「どう過ごす?70歳、80歳になった私の暮らし」にて当薬局の薬剤師が「お薬との上手な付き合い方薬剤師が伝授します」の講演を行いました。
高齢者にとって身近な存在である薬。その薬との上手な付き合い方で問題になるのは残薬とポリファーマシーです。今回の講演会では残薬解消、ポリファーマシー解決の秘訣をお伝えしました。そして自分が今飲んでいる薬や受けている治療の状況を家族と共有する事の重要性についてもお話ししました。これはアドバンスト・ケア・プランニング(ACP)の導入にあたる部分です。H30年11月に「人生会議」という愛称がつけられたACPですが、今後の人生を考える上でとても重要な取り組みです。この講演を聞いた方の各家庭で人生会議が開催され、今後の治療や薬に対する向き合い方、これからの生き方を考えるきっかけになれば嬉しいですね。
講演の合間に骨密度&握力測定も実施しました。和気あいあいとした雰囲気で皆様、自分の数値を確認することができました。
~参加者の感想~
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- 身近にある問題で、参考になった。
- お薬手帳は1冊にまとめることが大切なことを確認できてよかったです。
- この話を母親に聞かせたいと思いました。
- パンフレット「もしものために」・・・元気な間に家族間で話し合い、考え方を共有化することの大切さを再認識しました。
~講演memo~
【残薬とは?】- 何らかの理由で、処方された薬が家に残ってしまう事
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- 医療費の問題
⇒75歳以上の方の残薬を合計すると475億円になると言われている - 診断や治療に影響する可能性がある。
⇒医師は処方した薬を飲んでいる前提で考えているため、自己判断での休薬や減薬により処方した薬の効果が出ていないと判断され、薬が追加になる可能性がある。現在の服薬状況をしっかり伝えることが重要
- 医療費の問題
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- なぜその薬を飲まなければならないかを知る。
- 飲みにくい薬(粉薬など)があれば薬剤師に相談してみる。
- 飲み忘れが多くなっているようであれば飲み忘れない方法を薬剤師と一緒に考える。
- かかりつけ薬剤師、お薬手帳を活用する。
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- 臨床的に必要とされている量以上に多くの薬剤が処方されている状態のこと。
- 薬の数が多いから悪いという意味ではない。
⇒年齢や現在の状態にあってない薬は再検討した方がよいという考え方 - ポリファーマシーにならないための方法は残薬対策と共通の部分が多い。
⇒薬を飲む意味をしっかり把握し、気になるところは医師、薬剤師に相談することが重要。
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人生の最終段階における医療・ケアについて、本人が家族等や医療・ケアチームと繰り返し話し合う取り組みのことで、「ACP(アドバンス・ケア・プランニング)」の愛称。生き方や死に方に対する考えは状況により変わることがあるので、お正月やお盆といった家族が集まる時、誰かが入院した時などいろいろなタイミングで話し合いを持つことが重要。